最近見て特に良かった映画

映画「帝一の國」は、2017年4月29日に劇場公開された永井聡監督によるコメディードラマになっております。元になっているのは古屋兎丸による学園コミックになり、菅田将暉の主演によって実写化されている作品になります。

赤場帝一は、政治家の父親とピアニストの母親との間に生まれました。幼い頃から繊細でピアノ好きな帝一に対して、父の譲介は強引に帝王学を叩き込もうとします。鍵盤に頭を打ち付けたことがきっかけになって、帝一も俄然やる気を出し始めました。将来の政界進出を狙って、譲介の卒業校でもある海帝高校へ入学します。入試でトップの成績を収めた帝一は、新入生代表に選ばれて早々と注目を集めました。多額の寄付金をばら撒いてクラスのルーム長の座をあっさりと獲得し、ゆくゆくは生徒会長選挙への出馬を目指していきます。校内での派閥争いがし烈化していくにつれて、帝一が自分だけの国を作りたい本当の理由が明かされていくことになるのでした。

主人公の赤場帝一のマンガの世界から飛び出してきたようなキャラクターを、菅田将暉が生身の俳優として体現していくのが面白かったです。野心家で負けず嫌いな表向きの顔に隠されている、意外なほど純真無垢な素顔にはホロリとさせられました。2017年にはこの映画と合わせて「キセキーあの日のソビトー」「あゝ、荒野」「火花」と4本の映画で主演を務めて、第91回キネマ旬報の主演男優賞に輝きました。「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」では声優としても意外な才能を発揮しています。NHKの大河ドラマへの出演からミュージシャンデビューまで幅広いジャンルのチャレンジには、本作品での頂点を目指す帝一の生きざまと重なるものがありました。

盗聴から買収工作まで何でもありの、永田町顔負けの選挙戦がスリリングな味わいでした。目的のためには手段を選ばないはずの帝一が、健全な男女交際だけはしっかりと守り通す律儀さが微笑ましかったです。幼い頃から変わることのない、永野芽郁扮する白鳥美美子へのピュアな思いが伝わってきました。真夜中にサングラスにほっかむりの変装までして訪れた恋人と、糸電話越しの会話だけで満足してしまうシーンには笑わされます。親同士の因縁や権力争いが、子供たちにまで引き継がれてしまうことも考えさせられます。総理大臣になって日本を世界一の国にするという誇大妄想気味な野望も、現実の世界の独裁者との不気味な共通点を感じてしまいました。

今をときめくフレッシュな俳優さんたちの熱すぎる演技と、破天荒なストーリーが見どころになります。平凡な学園生活の繰り返しに物足りなさを覚えている、中高生の皆さんには是非とも鑑賞して頂きたい1本になります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です